私がリストラの時期に観た映画 その② 「スーパーサイズ・ミー」

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私が最初の会社をリストラで退職したのは2013年の12月でした。

失業初日のことは今でもよく覚えています。

 

自由になった喜びよりも、まったく先行きの見えない自分の将来に対して、寄る辺ない不安でいっぱいでした。

日中はまだいいのですが、夜をむかえて一人になると、どうしようもないほど心細くなりました。胃のあたりがこう、グーッとせり上がってくるような…。

少しでも気を紛らせようと、私はある映画を観ました。

 

その映画が「スーパーサイズ・ミー」です。ではどうぞ。

見た目はジャンクフード、しかし内容は?

まず最初に白状しておきます。

失業初日にこの映画を選んだ理由は単に「(いい意味で)バカそうだったから」でした。

映画の紹介文から能天気な印象を受けたし、バカな内容だったら気軽に観れるだろうと思いました。

さすがに自分の人生がまずいことになった初日から重すぎる映画はちょっと遠慮したかったわけです。

簡単なあらすじと私の感想

この映画はいわゆるドキュメンタリーです。監督であり主人公である一人の男が、「マクドナルドのメニューだけで一ヶ月生活したらどうなるか?」を、自分の身体を実験台にして検証するという内容です。

実際に観ていくと、私が当初抱いていた勝手なバカイメージはいい意味で裏切られました。

やってることは確かに一見バカらしく見えるのですが、主人公は実験に際して、原因と結果が定量化出来るようにちゃんとお膳立てして臨んでいるんですよね…

しかも、一見バカみたいでオーバーに見える主人公の実験ですが、よく考えれば私たちの生活の延長線上がこれなんですよね…。要するに、この映画でやっているバカ実験は、わかりやすくオーバーな形にすることで、私たちの日常生活に溢れているジャンクフードの危険性を訴えているんです(マクドナルドのメニューだけで生活している人はさすがにいないとは思いますが…)。

 

そのことに気づいた頃は観ている方としても、実験日数を重ねるにつれて加速度的にヤバくなっていく主人公の健康状態が本気で心配になるという思わぬサスペンスが待っていました。主人公には実験による被害を心配する彼女(かなりのヘルシー志向)がいるのですが、観ていくうちに自分の感情移入する相手が主人公よりも彼女側になっていくのを実感してしまいました。

 

さて。失業初日にこの映画を観て、なにか学んだことがあったか?

と言えば、正直言って当時は無かったと思う(キッパリ言って失礼ですが)。

しかし、あれから6年ほどを経たいま思い返せば、

  1. 低予算(多分そうだと思う)な上に登場する人達が少ない
  2. 主人公は周囲から反対されつつもやり遂げる(かと言ってそれが偉業ではないのがポイント)
  3. 相手が世界的な巨大企業なのにほとんど個人的な力だけでメッセージを投げかける

そんな見方によっては意外と熱い、骨のある映画だったかもしれないと思い直しました。やってることは連日のマクドナルド通いということは置いておいても、己の身(というか健康)を投げ出してまでも社会にメッセージを送ったわけですから。

 

当時の私も「会社」という自分よりも大きな集合体から離れ、完全に独りだったわけで、主人公の反骨精神みたいなものから知らず知らずのうちに影響を受けていたかもしれません。もっとも私はマック通いはしませんでしたが…。

まとめ

この映画、いちおうドキュメンタリーという形式を取っていますが、決して社会に物申す系の重苦しさは無く気軽に観始める事が出来る映画です。

気が重いときや疲れたとき、何も考えられないときに難しい映画を観たくない人は多いと思います。

そんな時、この映画はジャンクフード気分で観られる、しかしちゃんと栄養のある(嬉しい誤算)映画だと思いますので、機会があればいちどご覧になると、何かしらの発見があるのではないでしょうか。

おすすめです。

では、また。

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