親子二代でリストラされた話

仕事

こんにちは。

ゴールデンウィークでの10連休で10キロ太ったまま、このブログを書いています。たるんだ腹の肉が邪魔です。

さて今回の話は、

親子二代でリストラされた話です。

以上です。

ですが、

いちおう説明させてください。

地獄めぐりにいざなう親父

私の親父は風来坊でした。

親父の経歴を簡単に言います。

他県にて生まれた親父は、仕事と住まいを転々としつつ、今の土地に流れ着きました。そして、そこで出会った私の母と結婚。その後、子供である私や兄弟が生まれたわけです。

世帯を持ち家族が増えたわけです。普通だったら生活のため、家庭のために、腰を落ち着けて働くところでしょう。

しかし私の親父は違いました。

私が小学生のころ、止せばいいのに親父はギャンブルにズッポリのめり込んでしまいました。後で知った事ですが、競馬と麻雀で多額の借金を作り、仕事もろくに手につかなくなり蒸発したのです。

おかげで家庭が大変なことになりました…。

しかもそれを繰り返すのです。一度ならず二度ならず三度ならず…いったいあれから親父が何回借金を重ねたのか、息子である私でさえ把握しきれないほどです。

私は全ての人がそうとは言いませんが、一度借金で夜逃げなどをした人は繰り返すと思っています。そういう人は何かに依存する傾向があるため、たとえ反省をしたように見えても全く油断がなりません。

これは偏見ではなく、私が親父とその周囲の人たちを嫌というほど(実際嫌でした)見たうえでの感想です。

そんな親父の行動パターンを簡単に言えば、

  1. ギャンブルにハマる(現実から逃げる)
  2. 借金を作る
  3. 逃走
  4. お金が尽きて勝手に戻ってくるor発見される
  5. いちおう反省するが病気再発→最初にもどる

性懲りもなくこのループを繰り返します。本人にとってはどうだか知りませんが、家族にとっては地獄めぐりのような生活が繰り返されるわけでビタ一文笑えませんでした…。

なにしろ稼ぎ頭とお金がいきなり蒸発するわけです。代わりに家には取り立てと思しき人がやって来るし、当時小学生だった私たちはもちろんですが、母も当然のように途方に暮れていました。

おとなしくなった親父。だが…

しかしそんな親父にも転機がやってきます。

もう何度目か分からないくらい同じ失敗を繰り返した親父でしたが、ある時を機会にピッタリと借金が止んだのです。

と言っても、借金というのは家族に隠れてするものですから、実際に改心した保証はどこにもありません。

最初は疑心暗鬼でしたし、いまでも本心から信用できるとは口が裂けても言えませんが、それまでだったらとっくに蒸発するかトラブルになっている時期にも何も起こらないのです。

ある時本人にそれとなく話を向けてみたら、

「取り立てがキツくて酷い目にあった」だそうです。悪いのは返すあても無いくせにお金を借りた自分であるにも関わらずこの物言い…。それはともかく、

要するに、前回の借金の際に借入先(限りなくヤミ金)からの追い込みが相当激しかったため、ついに音を上げたらしいです。

借金グセが止んだ事自体は喜ばしい事でしたが、痛い目に会わないと改心しないという体たらくで、まるで小学生か…と我が親ながら情けなくなったのを今でもハッキリ覚えています。

その後の親父はそれなりに真面目に働くようになりました。

もっとも歳も歳なため、期間雇用の仕事が中心でしたが、間を空けず仕事先を渡り歩くというスタイルでした。

そんな中、昔の実績を買われて正社員として転職に成功するという珍事(?)が起きます。

家族としては驚きと不安が入り混じりつつも何だかんだ言って喜びました。なにしろ我が家と親父に最も欠けていた「安定」という要素が思わぬ拍子で転がり込んだわけですから…。

しかし、半年ほど経った頃のこと、会社から帰宅した私に妻から話がありました。

親父が会社を辞めた、ということ。

驚いて「なんで?」と妻に聞いたら、
「なんかお義父さん「カッコよく言えばリストラ」って言ってたよ…

と当惑した調子で説明されました。

言い忘れましたが、うちの親父は見栄っ張りなところがあり、特に見ず知らずの他人や女性、あと私の妻には無駄に気取るという致命的な欠点がある男です。

そんな親父は「リストラ」という言葉に、どういうわけかオシャレ感とかカッコよさを見出したらしく、気取った調子で妻に告げたらしいです…。何なんだアンタは?

蛙の子は蛙なのか?

親父の「カッコいいリストラ発言」から数年後、息子である私も当時勤めていた会社をリストラされるという経験をしました。

当時は悩みました……リストラされた事自体も大きかったですが、それ以上に、自分の親父のダメな部分を息子の俺も引き継いているのではないか、という不安のほうが怖かった。

蛙の子は蛙(心底嫌な言葉です)と言いますが、俺もそうなのではないかと。

今は私もどうにか再就職しましたが、たまに親父がリストラされた時の事を思い出し不安にかられます。

ギャンブルや借金は絶対にしないが、親父のバカさ加減や、後先考えず突っ走る性格は、嫌なことに高確率で俺も引き継いているのは間違いない…。

さいきんの親父は、もう後期高齢者に両足を突っ込む年齢になり、細々ながらも知人のツテでバイトをしたり、シルバー人材の仕事をこなしています。

借金はしていない(と思う)ものの、ちょっとボケているのかどうか判らない発言をする時があり、違った意味で不安を誘うようになりました。

それでは、また。

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